武雄競輪の開設75周年記念「大楠賞争奪戦(GⅢ)」は13日、12Rで決勝戦が行われ、山田庸平(37=佐賀・94期)が嘉永泰斗の番手捲りで地元記念初制覇を完全Vで飾った。欠場した18年覇者の兄・英明に続く兄弟Vも達成。2着に山田久徳、3着に杉森輝大が入った。

ホームバンクの大声援を力に変えた。山田庸が完全Vで地元記念初制覇。「あんまり優勝することは意識せず、地元だし楽しんで走りました」と無欲の快走で偉業を成し遂げた。
太田―山田久の前受けで九州勢が続き、関東勢が後方に構える展開。打鐘で嘉永がカマして主導権を握ると山田庸はぴったり追走し、太田の捲りに合わせてバックで番手捲り。巻き返そうとした太田と最終直線で接触したが、先頭を譲らずゴールを駆け抜け「泰斗(嘉永)が叩いて踏んでくれたおかげ。応援も力になりました。地元記念で完全Vできるなんて思っていなかったので、最高の結果です」と後輩、武雄の熱いファンに感謝した。
前回の伊東GⅡは準決勝敗退も、最終日にバンクレコードを更新。そして今回は完全Vと、上昇気流に乗った。「次のGⅠ(日本選手権)で結果が出たら、今年はいいところまでいけると思う。しっかり一日一日、自転車と練習に向き合っていきたい」とさらなる高みを目指す。(北野 将市)
◇山田 庸平(やまだ・ようへい)1987年(昭62)年11月8日生まれ、佐賀県武雄市出身の37歳。中学、高校時代を長崎県五島市で過ごす。佐賀支部の94期生として08年7月に武雄でデビュー。通算成績1307戦349勝。GⅢ5回を含む40V。1㍍71、69㌔。血液型O。
◆次走 優勝した山田庸平はGⅠ日本選手権(名古屋、29日~5月4日)、2着山田久徳は玉野FⅠ(18~20日)、3着杉森輝大は伊東FⅠ(19~21日)。